医療法人化のメリット・デメリットを整理しましょう

このようなお考えをお持ちの先生には、ぜひ医療法人化をご検討いただきたいと思います。ただし医療法人化は世間で言われている以上に、メリットだけでなくデメリットも多いものですし、「第2の創業」といわれるくらい一筋縄ではいかないものです。

”医療法人化”がゴールではありません。そのため、短期的なメリット・デメリットの検証のみで、大事な法人化を先生に判断してほしくはないのです。先生ご自身の”理念・ビジョン”を実現するための手段だと私は考えています。

医療法人化は、すべき先生・すべきではない先生、すべきタイミング・すべきではないタイミングがあります。私は客観的立場から、先生のお考えを伺い、より最善のアドバイスをさせていただきと考えています。
以下では、医療法人設立に関するチェックポイントをご紹介します。

ぜひ参考にして、医療法人化について検討してみてください。

医療法人設立に関するチェックポイント

チェック1

手取り収入を減らすことが
できますか?

医療法人化により節税をする場合には、当面の手取り収入を減らさなければならない場合が多くなります。
この点はあまり話題にならないため、是非頭に入れておいてください。

チェック2

医療法人化の際に、個人借入がどうなるか検討していますか?

これもあまり知られていないことですが、医療法人化の際に個人借入を法人に引き継げない問題が生じることがよくあります。
この場合、法人化後に個人借入を給料の手取りの中から返済していかなければならなくなり、法人化のメリットが出ないことがあるので、ご注意ください。

チェック3

医療法人化に伴う消費税への影響を検討していますか?

「医療法人化をすると、2年間消費税が免税になるんでしょ?そんなことは知ってるよ。」

こう思った先生、おしいです。先生のお考えは正しいです。ただ、あくまでも「医療法人化に伴う消費税への影響」の一側面でしかありません。消費税法には最近できた例外規定がありますし、医療法人化の際にも消費税の取り扱いが問題になることが多々あります。消費税についてもしっかり検証しましょう。

チェック4

オーナーになってくださる適任の方はちゃんといますか?

一般的に医療法人の「オーナー」=「社員」は3名必要なのですが、実はこれも安易に考えてしまいがちな部分です。ちなみに、医療法人の場合の社員は従業員ではなく、所有者という意味です。言葉もわかりにくく難しいですよね。
さて、みなさんのクリニックがある地域によって、医療法人の社員に求められる要件が実は異なっていたりします。これは地域ごとに異なるのでここに記載はできませんが、是非専門家に早めにお問い合わせください。

チェック5

実績が2年ないと医療法人になれない?

そんなことはありません。これもちゃんと専門家に依頼すれば、開業後すぐに医療法人化が可能な場合がありますので、早めの相談をお勧めします。

チェック6

医療法人化は事業承継に有利と聞いたが?

医療法人自体が長期的な存続を目的としている組織であるため、事業承継に有利な場合が多いと思います。一方でまれですが、法人化により気が付かないうちに医療法人の主導権を第三者に握られていることもありますので、先生の環境やご状況に合わせて多面的に検討する必要がございます。

医療法人設立前の注意点~必ず医療法人化に詳しい専門家に相談・依頼しましょう~

医療法人化については、医療法という独特なルールがあり、必要書類も多く地域ごとにも要件が異なるなど、思っているよりもずっと難しいものです。
実際こんなことがありました。

・メリットがあるといわれて法人化したが、実はいろいろなデメリットがあった。
・必要書類に漏れがあり、結局申請ができなかった。
・申請したものの要件を満たしておらず、却下された。

上記の一つの理由は、税理士さんだけ・行政書士さんだけに依頼したことが一つの要因です。
医療法人化手続きをよく理解していない税理士さんや、税法をよく理解していない行政書士さんは多数おります。
当事務所では、医療法人化に非常に強い行政書士の柏崎先生と密に連携することで、複雑な案件についても手続き面・税法面など多面的にサポートいたします。

上記を踏まえて当事務所は下記のようなサービスを提供しています。

無料相談サービス

正直な話を申しますと、開業前からでも医療法人化を踏まえたクリニック開業・経営が望ましいといえます。早めのご相談が先生にとってもメリットが多いと考えております。

監事引受サービス

医療法人化の際には必ず「監事」という、医療法人の決算書をチェックする役割を1名置く必要があります。
知人に監事になってもらっている院長先生も多いですが、もしもの場合のリスクも考えると、あくまでも一番いい選択肢であるとは言えません。
私自身、税理士であるとともに「公認会計士」でもあるため、監事に求められる役割をしっかりこなすことが可能です。
また、なかなか顧問税理士を変えにくいものの、「医療専門税理士の意見も聞きたい」、「今後しっかり事業の計画を立てていきたい」といった先生には、月3万円から監事引受を行うサービスを行っておりますので、ご相談ください。

顧問税理士

私個人は、特に問題がなければ長いお付き合いの顧問税理士の方を変える必要はないと考えています。
ただ、顧問料が高い、診療で忙しいため診療以外のトータルなサービスを受けたい、などの理由で法人化をきっかけとして顧問契約のご依頼いただくこともあります。

分院展開・訪問診療支援

提携先の医療コンサル会社、訪問支援会社をご紹介することで、優良物件等のご紹介支援ができる場合がございます。ただし、人財のご紹介は大変申し訳ございませんが、現状できない状況でございます。

どんな些細な疑問点でも、無料相談をお受けしますので、ご遠慮なくお問い合わせください。

医療法人についてのご相談はこちら



医療法人の設立条件

【必須条件】

  • 病院、医師または歯科医師が常勤する診療所・老人保健施設を開設する社団または財団であること。
  • 医療法人の業務を行うにあたって必要な資産を有すること。
  • 定款または寄付行為により、役員、診療所の開設場所などの法定事項を定めていること。
  • 都道府県知事(または厚生労働大臣)の認可を受けること。
  • 法人設立登記を行うこと。

【理事の任命など】

  • 役員は理事3人以上、監事1人以上が必要
  • 理事のうちのひとりは理事長とし、医師または歯科医師の理事のなかから選出しなければならない
  • 監事は理事または医療法人の職員を兼任できない

医療法人化のメリット・デメリット

メリット

メリット1

節税対策になる

個人よりも医療法人の方が最高税率が低い、退職金が支払える、保険を経費にできるなど税務上のメリットを受けることができ、毎年の所得税、住民税を減らすことができます。

メリット2

給与所得控除を受けられる

個人開業医には給与所得控除はありませんが、法人化することで先生は給与所得者となり給与所得控除を受けられます。
※給与所得控除とは給与所得者に認められている、税金を減額する効果がある控除です。

メリット3

相続税対策になる

個人から医療法人に財産を移すことができるため、お子様等への医院承継がしやすくなるなど将来の相続対策にもつながります。

メリット4

幅広い事業展開が可能

分院を開設したりすることで、多角的な事業展開が可能となります。

メリット5

消費税が当初非課税

消費税を納めている方は、医療法人化後1年~2年は消費税を納める義務がなくなります。
デメリット

デメリット1

設立の手続が面倒

医療法人の設立は、設立手続、決算後の届出・登記など、書類が多く煩雑な手続が必要となります。

デメリット2

書類作成が手間

医療法人設立後も理事会の議事録など書類を作る煩雑さがあり、最低限、決算届けと資産の総額登記が毎年必要となります。

デメリット3

資金の管理が必須

個人の資金と法人の資金をしっかり分けて管理する必要があります。

デメリット4

社会保険に
加入しなければならない

個人開業医時代は正社員が5名未満であれば社会保険加入義務がありませんでした。しかし法人化すると社会保険に加入しなければならず、給料総額の13%程度の追加負担が生じる可能性があります。一方で、従業員にとっては福利厚生が充実しスタッフ定着に繋がります。
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法改正で医療法人化に踏み切れない先生へ

旧法では、医療法人を解散する際に余った財産は医療法人を設立された先生方の財産となっていましたが、新法ではその帰属先が国や地方自治体または他の医療法人に変更となったため、旨みがなくなったと感じられる方は少なくありません。自らの診療によって医療法人で築いた財産が国などに没収されるとなれば、当然の心理だと思います。
しかし、新法にもメリットはあります。医療法人が急成長した場合などは、将来的に高額な相続税負担が生じるリスクがありましたが、新法では残余財産が先生に帰属しない代わりに相続税の負担が減り、円滑な事業承継が可能になるというメリットもあります。
また、そもそも医療法人を解散しなければ財産が国などに帰属されることはありませんし、解散時に残余財産を残さなければ問題はありません。計画的に役員報酬や退職金を考えることで残余財産をコントロールできますので、それほど心配することはないでしょう。

解散時の残余財産は国に帰属

旧法では、医療法人を解散する際に余った財産は出資者に帰属していましたが、新法ではその帰属先が国や地方自治体または他の医療法人に変更となったため、旨みがなくなったと感じられる方は少なくありません。築いた財産が没収されるとなれば、当然の心理だと思います。

しかし、新法にもメリットはあります。医療法人が急成長した場合などは、将来的に高額な相続税負担が生じるリスクがありましたが、新法では残余財産が帰属しない代わりに相続税の負担が減り、円滑な事業承継が可能になるというメリットもあります。

また、そもそも医療法人を解散しなければ財産が国などに帰属されることはありませんし、解散時に残余財産を残さなければ問題はありません。計画的に役員報酬や退職金を考えることで残余財産をコントロールできますので、それほど心配することはないでしょう。

まずはシミュレーションをお試しください

本当に先生にとって医療法人化はメリットがあるのか。
世間では「医療法人化は節税になりメリットがある」ということが一般に言われています。ただ、これは本当でしょうか。私も当初はそう考えていました。 しかしながら、いろいろな先生方のご相談を受け、シミュレーションをしてみることで、一概に先生にとってメリットがあるとは言えない状況にも直面してきました。 そういった状況下で、医療法人化は「先生のお考え及び環境次第」で理想の姿が異なり、先生に最大限メリットがあるように医療法人化をしなければならないと考えています。 ただ医療法人化するだけではなく、"よりよく"医療法人化をしたい。そんな先生は是非ご相談ください。

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